2012年3月25日日曜日

「定年後の再雇用」について、どうしたら良いの?? - 大竹光明 [マイベストプロ大阪]


と、疑問に思われている社長さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、従業員の方の、定年後の雇用確保措置についてお話します。

就業規則には定年に関する定めを規定しなくてはなりません。(必ず定年退職制度を定めなければならないという意味ではありません。)
ほとんどの会社が定年退職制を定め、60歳で定年年齢を定めていると思います。しかし高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を義務づけています。

では、どのようにすれば良いのか見ていきましょう。
1. 定年年齢を65歳にする。

2. 定年退職制度を廃止する。

3. 継続雇用制度を導入する…勤務延長制度、再雇用制度を導入する。

<勤務延長制度>
一般的には「定年退職制のある企業で、定年後も従業員を退職させることなく引き続き雇用する制度」のことを指します。

<再雇用制度>
「定年年齢に達した時点でいったん退職し、翌日から再度雇用する制度」です。定年後の再雇用形態を「嘱託雇用」ともいいます。


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両制度の違いは、雇用関係が存続しているのか否かという点です。
その他の条件はそれほど大きな違いはありません。例えば勤務延長でも再雇用と同様に、対象者を選別することもできますし、雇用形態、労働時間等を定年前と変更することもできます。また雇用期間に関しても、1年更新としてもかまいません。

ただし、社会保険料に関しては少し取り扱いが違います。
再雇用制度の場合は、いったん資格を喪失し、再び取得という取り扱いになりますので、変更後の給与が即社会保険料に反映されます。しかし、勤務延長の場合は、変更月から4カ月目以降に反映されます。ですので会社にとっても、従業員の方にとっても経済的負担が大きくなります。


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現在の法律では、労使協定で再雇用の基準を定め、その基準に達しない方を再雇用しないことができます。
では、その基準とはいったいどのようなものにすることができるのかを見ていきます。
対象者の基準は、原則として労使の判断に委ねられることになりますが、内容は、具体的かつ客観的に定める必要があります。

「認められる例」
・営業経験が豊富な者(全国の営業所を〇カ所以上経験している者)
・過去3年間の勤務評定が〇以上の者
・過去〇ヵ月間の出勤率が〇%以上の者
などです。


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「一見ダメに思えるが、実は認められる例」
・〇〇職(特定の職種)の者
・定年退職時に管理職以外の者
・次の①、②のいずれかを労働者本人の自由意思により選択するという制度
①従前と同等の労働条件で60歳定で退職。
②55歳以降の雇用形態を、65歳を上限とする、60歳からの1年更新の有期雇用契約に変更し、55歳以降の労働条件を変更した上で、最大65歳まで働き続ける。
 
なお、1年ごとに雇用契約を更新する場合については、65歳までは、従業員の方が希望すれば原則として契約が更新されることが必要です。
などです。

「認められない例」
・会社が必要と認める者
・上司の推薦がある者
・男性(女性)に限る
・組合活動に従事していない者に限る
などです。


4. 定年年齢を段階的に引き上げる…定年年齢を段階的に引き上げることで、雇用義務を果たしているとみなされます。
平成18年4月1日~平成19年3月31日→62歳
平成19年4月1日~平成22年3月31日→63歳
平成22年4月1日~平成25年3月31日→64歳 (現在)
平成25年4月1日~          →65歳

一般的には、再雇用制度が一番導入されているようです。(

再雇用制度>両制度>勤務延長制度
導入割合(73.2%)  (10.7%) (9.3%)

このように定年退職制度を定める場合には、いずれかの措置をとらなくてはなりません。
ただし、定年退職制度を定めない場合にはそのような必要はありません。
定年制度を定める場合も定めない場合も、会社の実情に合った定めをすることが肝要です。また、現在改正案の議論が進んでいますので、決定次第ご報告致します。

                                         アサカワ



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