"勝つためにどのように友人と影響力の人"の著者
Resources for LGAT: 自己啓発セミナー関係の書籍等
■自己啓発セミナーについて参考になる書籍等■
わたくしは、マルクス、フロイト、アドラーの信奉者だった友人たちが、それらの理論に共通な多くの論点、とくにそれらの見かけ上の説明能力に驚いていることに気づいた。 これらの理論は、実際上、それらが言及する領域内で生ずるあらゆる物事を説明できるように思われた。
アドラーについて言えば、わたくしはある個人的な経験を忘れることができない。 一九一九年のあるとき、わたくしは格別アドラー的とも思えわれないような一事例をかれに報告したことがある。 しかし、かれは、その小児患者を見たことさえないのに、自分の劣等感理論によってその事例を事もなげに分析してみせたのである。 わたくしは、少しばかりショックに感じて、どうしてそれほど確信がもてるのか、とかれに尋ねると、かれは「こういった例は千回も経験しているからだよ」と答えたので、わたくしはとうとう次のように言わざるを得なくなったのであった。 「でもこの新しい事例で、先生の経験は千一回めになるんだと思いますが」と。
カール・R・ポパー著、藤本隆志、石垣壽郎、森博訳、『推論と反駁 -- 科学的知識の発展(Conjectures and Refutations -- The Growth of Scientific Knowledge)』、法政大学出版局、1980年自己啓発セミナーに関して書かれた本には次のようなものがあります。 参考になれば幸いです。
著者の多くはゲスト・イベントと Basic と Advance を受講していて、 3 段階目の受講者はあまりいないようです。
ゲスト・イベントとは、 要するに参加するかどうするか迷っている相手を連れていって、 簡単なセミナーの紹介とともに、強引に Basic に誘う催し物です。
また、ここには書かれていませんが、 セミナー会社が出している本 というのもあります。 悩んだときに軽い気持ちで読めるといったのりのものや、 自分を見つめ直すための設問が列挙されているような本がたくさん出ています。 しかし、最近その手の本はセミナーと無関係な著者たちによっても、 実に多量に出版されていて、よく見ないと区別がつきにくいという状態にあります。
○自己啓発セミナーそのものに関する情報
『霊・超能力と自己啓発 -- 手さぐりする青年たち』、 柿田 睦夫、藤田 文 著、新日本新書 427、1991 年、
ISBN4-406-01949-9
自己啓発セミナーの主催者、参加者などに取材したり、 参加者が引き起こした問題、その周辺の人間などについて書かれている。 著者らはゲスト・イベントに参加している。 読んでみると、外側から中をのぞいて見たという感じで、 ちょっと突っ込みが甘いように感じる。
『自己啓発セミナー -- 「こころの商品化」の最前線』、 柿田 睦夫 著、新日本新書 494、 1999 年、
ISBN4-406-02651-7
自己啓発セミナーに参加したりして、その問題点を探っている。 取り上げられているのは、ブレークスルー・セミナー、ライフスペース、 サイエントロジー教会など。
また、しんぶん赤旗の連載だったこともあり、そのカラーが出ていて、 企業が研修として行なうセミナーによる労働者管理の問題にも触れていて、 日本創造教育研究所( JIT 経営研究所(『洗脳体験<増補版>』、 二澤 雅喜、島田 裕巳 著、宝島社文庫、 1998 年、
ISBN4-7966-1442-7
(JICC ブックレット『人格改造!』 二澤雅喜 に加筆・訂正)ライフダイナミックスの Basic と Advance を受講した著者が、 その内容をまとめたもの。 自己啓発セミナー体験記の代表的な一冊。 おすすめです。
この本は、 JICC ブックレット版、 B5 版のソフトカバー版、宝島文庫版の 3 種類が存在する。 ソフトカバー版は島田裕巳の解説が追加され、文庫版ではこれに 別冊宝島「洗脳されたい」の内容や、新たな解説などが追加されている。『人は、変れる。 -- 内側から見た自己開発セミナー』、 久保 博司 著、プレジデント社、 1993 年
ISBN4-8334-1483-X
アーク・インターナショナルの社長ロバート・ホワイト (日本に自己啓発セミナーを持ち込んだと思われる大もとの人物) を取材したことをきっかけに、 ライフダイナミックスの Basic と Advance を受講した著者が、 「セミナーとは一体何なのか」を自分なりに再構築しようとして書いた本。
セミナーに関して非常に好意的に書かれている異色作。 卒業生へのインタビューを多数含み、 またロバート・ホワイトへのインタビューも収録。 心理学書からの引用を多数含んでいる本。 ぼくには著者の自己弁護に見えてしまいますが・・・
この本の最大の見どころは、ロバート・ホワイトへのインタビューだと思う。 著者がエンロールに関して疑問を投げかけるような質問をすると、 ロバート・ホワイトがいかにしてエンロールを正当化しようとするか、 そこがポイント。 そして、そのロバート・ホワイトのアヤシイ過去は次の本で書かれている。
『心をあやつる男たち』、 福本 博文 著、文春文庫、 1999 年、 ISBN4-16-762601-2
(文藝春秋社刊のハードカバーに斎藤学の解説をつけて文庫化)
日本での社員研修の歴史を語ったドキュメンタリー。 感受性訓練のトレーナー堀田梅安を中心に、広い意味でのセミナーの問題点、 危険性などを語っていく。 後半では自己啓発セミナーの起源に迫り、 マルチ商法と自己啓発セミナーの意外な関係について述べられている。
セミナーの内容を知るという本ではなく、裏を知ることができる本。
『洗脳体験』とともにおすすめの本です。
『洗脳の部屋』 福本 博文 著、イースト・プレス (『そして催眠セミナーへ』福本 博文 著、イースト文庫 を改訂し ハードカバーにしたもの)
ある会社に勤める男が社命で研修を受けさせられたことで 人生が変ってしまうという小説。 研修では自殺者を救い、会社に帰ってくると研修課にまわされて、 余剰人員の首切りセミナーを担当させられてしまう・・・
自殺、受講生同士との不倫などの問題点を指摘する。
『癒しの時代をひらく』、 上田 紀行 著、法蔵館、 1997 年、 ISBN4-8318-7230-X
文理(特に哲学と数学)を融合し、 21 世紀のネオ・リーダーを 育成するという、東工大大学院 社会理工学研究科、 価値システム講座、 略称 VALDES の助教授・上田紀行氏は、 スリランカで悪魔祓いをフィールド・ワークした著作などで有名。 上田氏は、自著で述べているように、過去にライフダイナミックス系と、 est 系のセミナーを体験している。
ここでは、「癒し」を巡る状況について取り上げていて、 自己啓発セミナーに関しても、その一部として触れられている。
なお、上田紀行は、この著書では、セミナーにはいろいろ問題点はあるけれども、 参加してよかったと思うというスタンスを取っている。
問題点としては、単に勧誘して参加させることにだけ意義を 見いだしているセミナーの関係者のいやな感じ。 また、これはセミナーだけでなく、多人数でやるセラピーにも 発生し得る共通の問題であるが、そこでの「気づき」が、 あくまでも「その場」というコンテクストに立脚したものであるという、 視点が欠けがちで、「○○セミナーだけが」とか、 「○○セラピーだけが」というふうに参加者がなっていく可能性が あることを挙げている。
セミナーでいうように、「いい」とか「悪い」とか、 その判断している基準も、すべては解釈の一つに過ぎないと、 そういうスタンスを取れば、このような意見が出てくるだろう。
ぼくは、そのような見方もあっていいと思うが、 「それは解釈です」とセミナーで人々が言うとき、 そこには多分に誘導するための詭弁的要素があり、 個人的にはそのような見方に立った論理展開はきらいである。
『日本型システムの終焉 -- 自分自身を生きるために』、 上田 紀行 著、法蔵館、 1998 年、 ISBN4-8318-7234-2
『日本型システムの終焉』では、「こころの産業」という章を設けて、 自己啓発セミナーについて「素晴らしい自己」というイメージを売る産業として 解説している。 中でも、特に第 3 段階目の勧誘活動に関して、 なぜ勧誘するのか、勧誘に関する問題は何かなどについても論じている。
ここで述べられている勧誘のからくりは、「分かち合い」の限定にあると されている。 短くまとめると、次のようになる。
人と分かち合うことは、本当に大切なことで、心理療法の場などでも、 体験されることがある。 ただ、この分かち合うという言葉には、様々な意味と側面と形がある。 しかし、セミナーでは「分かち合い」の意味は巧妙に限定されている。 もちろん、セミナーの中でも、いろいろな分かち合いが体験されるのだが、 なぜか勧誘活動を要求されるときの「分かち合い」は「他人にセミナーを 受講させること」の一種類になってしまうというわけである。
さらに、 Basic で一番の感動の山場の直後に、 「あなたがこんなに素晴らしい体験をしたのは誰のおかげでしょう」的な 問いかけがあり、その直後にセミナーへの紹介者との感動のご体面が 用意されている。 多くの場合、参加前には、怪しいと思っていたり、参加費が高すぎると思っていたり、 勧誘がしつこ過ぎると思っていたりして、無理矢理参加させられているわけだが、 それらがこの瞬間に正当化されてしまい、勧誘しやすくなるわけである。
また、世界や他人は敵だという固定観念をこのセミナーでは打破していることも、 勧誘への抵抗をなくすのに一役買っているわけである。
このような中で、勧誘マシーンのようになっていったり、 傷つく人もいるという問題もあると述べている。
ところが、この著書で上田紀行は、セミナーに関して、「だからといって、 このセミナーは全否定されるべきでもないだろう。 ぼくの見る限りにおいても、セミナーの体験を実際に生かし、人生の展開へと 結びつけていった人は少なくない。」と述べている。 しかし、その直後で、そういう人は一部で、多くの人は「このセミナーだから」と セミナーにすがっていくようになるとも書いている。
ネズミ講や、マルチまがいの各種ネットワーク・ビジネスも、 成功して儲ける人も一部にはいるということで、この論理によれば十分 弁護されてしまうのではないかとぼくは思うが。
なお、この著書には、次のような記述がある。
そもそも、自己啓発セミナー等の基礎となるグループワークの手法が開発 されたのは、 1960 年代のアメリカの「人間可能性開発運動(ヒューマン・ ポテンシャル・ムーブメント)」においてであり、 これは、ベトナム戦争下のアメリカでアイデンティティの危機に直面した人の 人間性の回復を目指し、同時に社会を非暴力的に改革しようという運動であった。
これは、自己啓発セミナー近辺で流布しているフォークロア、「セミナーの手法は ベトナム帰還兵のリハビリのために開発されたものである」の一変種である (より広い意味に話を広げてはいるが)。 なお、後述の『エスリンとアメリカの覚醒』では、ベトナム戦争のことに関して、 ほとんど何も触れられていない。 セミナーの手法には、背景としてのベトナム戦争はあったかもしれないが (そんなことを言ったら、この時代のアメリカ文化は全部関係がある)、 ベトナム帰還兵のリハビリとはほとんど関係がない。 あえて、ベトナム戦争を持ち出していることには疑問を感じる。
『マインド・レイプ -- 自己啓発セミナーの危険な素顔』、 塩谷 智美 著、三一書房、 1997 年、 ISBN4-380-97231-3
著者は、セミナーという密室で、トレーナーの影響力によって、 自己の秘密を告白してしまう現象を「マインド・レイプ」と呼び、 問題として取り上げる。
ここでは、ライフダイナミックス系の「体験型」、 est 系の「瞑想型」、サイババの名前を使用している ライフスペース系の「混合型」とセミナーを分類し、 その被害について報告されている。
問題の取り上げ方や、論点は、 (それがどれくらい正当な批判であるかは取りあえず置くとして) セミナーはよくないものという明確な立場に立っている。
ま、それはともかく比較的最近の状況を知るにはちょうどいい本かも。
○est とワーナー・エアハードに関する情報
自己啓発セミナーの源流は、 Werner Erhard (ワーナー・エアハード)の est ( Erhard Seminars Training ) や、 ライフスプリングであると思われます。 est に関しては、別冊宝島 16 『精神世界マップ』 に非常に扇情的な紹介が あります。 『世界の宗教と経典総解説』自由国民社 にもカルトとして記載されています。 また、以下で挙げている『マインド・コントロールの恐怖』や 『トランスパーソナル・セラピー入門』などにも短い記述があります。
最近 est は Forum や Landmark Education などと名前を変えているようです。
ワーナー・エアハードがどのような人物で、どのように est をはじめたかなどが、 後述の『エスリンとアメリカの覚醒』に書かれています。 短く言えば、エアハードは元セールスマンで、様々なヒューマン・ポテンシャル・ ムーブメント(とその周辺のカルト的なものも)を一通り経験し、 それらにポジティヴ・シンキングや、(おそらくはビジネス的な)個人的な成功と いった思想を継ぎ足して、 est をはじめたということになります。
多くの心理療法の「等身大の自分をみつめて、無理せず生きよう」的な 雰囲気が全くなく、「自己の可能性の極限に挑戦して、パワフルに生き、 リーダーシップを発揮して、とにかくでかい成功を手に」という自己啓発セミナー の雰囲気がとてもよくわかります。 手法としては、心理療法のものを使っているわけですが、目指すところが 全く違うことは明らかです。
エアハードは、セミナーでビッグなビジネス的な成功を得たいのでしょうか。 そういえば、セミナーのエンロール活動に、営業という職種との類似性を 強く感じるという発言もよく聞きます。
また、ワーナー・エアハードは、 2000 年までに飢餓を終わらせることを コミットしている NGO 団体 ハンガー・プロジェクト の世界理事の一人でもあることも指摘しておきます (ハンガー・プロジェクトのちらしより)。 (『マインド・コントロールの恐怖』の est に関する部分で触れられて いる「断食プロジェクト」と同一かもしれない。)
セミナーによっては、飢餓救済をプロジェクトの一つとして掲げていたりしますし、 ハンガー・プロジェクトと何らかの関係がある場合もあるようです。
この他にも、マーチン・ガードナーの『奇妙な論理 II 』 市場泰男訳 現代教養文庫 の「訳補 疑似科学の新しい話題から」の章によれば、 いわゆるトンデモ科学研究集団らしい 「物理学・意識研究グループ」 などの出資者にもなっているようです。
注 1・日本ハンガー・プロジェクトの方から、 お手紙をいただきました。 それによると、「ワーナー・エアハードは 10 年前に世界理事を辞任しており、 現在はハンガー・プロジェクトとは関係がない。また、ハンガー・プロジェクトは 「断食プロジェクト」とも、特定のセミナーとも関係がない。」とのことでした。
注 2・『マインド・コントロールの恐怖』の原書では、 「断食プロジェクト」に相当する語は "Hunger Project" となっており、 日本ハンガー・プロジェクトの指摘の方が誤っていることがわかりました。 なお、『マインド・コントロールの恐怖』の該当ページに出てくる キャロル・ジアムバルヴォの カルト情報とリカバリーのページも参照ください。
注 3・日本ハンガー・プロジェクトは、 ハンガー・フリー・ワールドになりました。
○マインド・コントロールに関する情報
マインド・コントロールに関して書かれた本には、 例えば次のようなものがあります。 自己啓発セミナーのマインド・コントロール的側面を理解するのに 役に立つかもしれません。
『影響力の武器 -- なぜ、人は動かされるのか』、 ロバート・B・チャルディーニ著、社会行動研究会 訳、誠信書房、 1991 年、
ISBN4-414-30269-2
『マインド・コントロールの恐怖』、 スティーヴン・ハッサン著、 浅見 定雄 訳、恒友出版、 1993 年、
ISBN4-7652-3071-6
『マインド・コントロールとは何か』、 西田 公昭著、 紀伊国屋書店、 1995 年、
ISBN4-314-00713-3
『「信じるこころ」の科学 -- マインド・コントロールとビリーフ・システムの社会心理学』、 西田 公昭 著、 サイエンス社、 1998 年、
ISBN4-7819-0870-5
『あやつられる心 -- 破壊的カルトのマインド・コントロール戦略』、 トーマス・W・カイザー、シャクリーヌ・L・カイザー著、 マインド・コントロール問題研究会 訳、福村出版、 1995 年、
ISBN4-571-25017-7
『カルト』、 マーガレット・シンガー著、中村 保男 訳、飛鳥新社、 1995 年、
ISBN4-87031-235-2
(この本は、章によって人名の訳語すら変わってしまうとんでもない訳 なので、注意が必要)『自由への脱出 -- カルトのすべてとマインドコントロールからの解放と回復』、 マデリン・ランドー・トバイアス、ジャンジャ・ラリック著、 南 暁子、上牧 弥生 訳、中央アート出版社、 1998 年、
ISBN4-88639-870-7
『カルトで傷ついたあなたへ -- カウンセリングとリハビリテーション』、 マインド・コントロール研究所編、いのちのことば社、 1999 年、 ISBN4-264-01795-5
『洗脳原論』、 苫米地 英人 著、春秋社、 2000 年、 ISBN4-393-36116-4
(オウム信者のデプログラミングで有名な人。 洗脳とそのデプログラミングについて書かれた本。 その手法は、神経言語プログラミングの影響を強く感じさせる。 なお、論拠が特殊な事例だったりして、反証性に難があるような気がする。 内容の真偽については、わたしは疑問符を付けておく (たとえば、クラッカー対策に方程式と格闘するという話とか)。 セミナーに関しても各所に記述がある。)
『カルトから家族を守る』、 楠山 泰道、貫名 英舜著、毎日新聞社、 2000 年、 ISBN4-620-31465-X
○自己啓発セミナーで行われている実習の元ネタに関する情報
自己啓発セミナーなどで行われている実習の幾つかは、 実際の心理療法がベースになっているものがあります。
その元々の概念や姿は以下のような入門書が参考になると思われます。
『カウンセリングの理論』、 国分 康孝 著、誠信書房、 1980 年、
ISBN4-414-40308-1
『トランスパーソナル・セラピー入門』、 吉福 伸逸 著、平河出版社、 1989 年、
ISBN4-89203-173-9
『精神療法と瞑想 -- 心を解くセラピー&メディテーションガイダンス』、 宝島編集部編、JICC 出版、 1991 年、
ISBN4-7966-0171-6
また、次の本も大変参考になります。
『エスリンとアメリカの覚醒 -- 人間の可能性への挑戦』、 W・T・アンダーソン著、伊東 博 訳、誠信書房、 1998 年、
ISBN4-414-30284-6
Human Potential Movement の中心地、アメリカのエスリン研究所の歴史を 書いた本 "The Upstart Spring" の翻訳。 いかにして、エスリン研究所が作られたか、マズロー、ワッツ、パールズ、 etc. は どんな人物だったのか、 Human Potential Movement の発展などが、 豊富なエピソードから伝わってくる。 この時代の心理療法がどのように発展したのかを知るのにもとてもよい。
なお、自己啓発セミナーの源流、ワーナー・エアハードの est に関しても 記述がある。
また、より最近の心理療法の動向を学術的に紹介したものとして、 次のものがあります。 ただし、より多くの療法を紹介しようという性質上、それぞれの療法については 短い記述しかありません。
現代のエスプリ別冊 <臨床心理学シリーズ III> 『心理面接プラクティス』、大塚 義孝 編集、至文堂、 1998 年、
ISBN4-7843-6006-9
現代のエスプリ別冊 <臨床心理学シリーズ IV> 『貢献者の肖像と寄与』、岡堂 哲雄 編集、至文堂、 1998 年、
ISBN4-7843-6007-7
○赤黒ゲームの元ネタ、ゲーム理論における囚人のジレンマに関する情報
また、自己啓発セミナーの中でよく行なわれる「赤黒ゲーム」と称される実習は、 ゲーム理論で「囚人のジレンマ」と呼ばれるモデルで、 例えば以下の本に記述があります。 セミナーで提唱されている「赤黒ゲーム」の意味と、ゲーム理論での 「囚人のジレンマ」に関する研究の成果との間に、 実に大きな違いがあることがわかると思います。
例えば、『ロボットにつけるクスリ』には、 「囚人のジレンマ」のコンピュータ・シミュレーション大会の話が紹介されています。 それによると、常に相手のプラスになるように投票する連中の存在は、 常に相手から搾取しようとする連中の温床になってしまいます。
セミナーの中で行われる「赤黒ゲーム」に関しては、 前記『洗脳体験』や『人は、変われる。』に具体的な記述があります。
『つきあい方の科学 -- バクテリアから国際関係まで』、 ロバート・アクセルロッド著、松田 裕之 訳、ミネルヴァ書房、 1998 年、
ISBN4-623-02923-9
このアクセルロッドの本は、囚人のジレンマに関する研究の古典。 とは言え、専門家でなくても楽しんで読める。
『勝つためのゲームの理論 -- 適応戦略とは何か』、 西山 賢一 著、講談社 ブルーバックス B-653、 1986 年、
ISBN4-06-132653-8
ブルーバックスで比較的入手しやすい本。
『囚人のジレンマ -- フォン・ノイマンとゲームの理論』、 ウィリアム・パウンドストーン著、松浦 俊輔 訳、青土社、 1995 年、
ISBN4-7917-5360-7
囚人のジレンマの考案者、フォン・ノイマンの伝記とともに、ゲーム理論の発達を 語った本。
『ロボットにつけるクスリ -- 誤解だらけのコンピュータサイエンス』、 星野 力著、 ASCII 出版局、 2000 年、 ISBN4-7561-3312-6
人工知能、人工生命などに関するエッセイ。
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