つれづれ ― プレイバック 海外の旅
【ルート図】Gmap マイマップ
【期間・旅程】2009年6月25日〜7月3日、旅程、 [TD 下野康子 さん]
【アルバム】 花編(216点)、観光編(160点)
【旅ノート】
ヨーロッパでバラ園をまわるツアーを探していたところ、クラブツーリズム「世界屈指のバラの名園と花一杯のドイツハイライト」がみつかり参加することに。参加して分かったのだが、同社の趣味サークル「花倶楽部」の企画によるもので、参加者10名のうち半数がそのメンバーと、当に花好きのためのツアーでした(男性はもう一方と私の二人のみ)。
Ref.花を愛する仲間達の出会いと交流の場:季節の花だより
訪ねた5つの庭園のうちバラ園が3つ―それぞれが大変広いガーデンにゆったり植えられていて、タントウ、コルデスなどドイツ育苗社のものが多く、次にメイランド、デルバードなどフランスもの、ほかに英国コッカーのものなどが目についた。日本のモダンローズ偏重に較べると、オールドローズもけっこう多い。それと、とくにロザリュームなどでは、若い小型株が大半で、多分バラ株の販売もしているので育苗と兼ねたバラ園のような印象。却って東京と近辺でよく行く、京成、神代、大船、新宿御苑などの方が、年季の入った太い株が多いように思う。各園での鑑賞時間(ロザリューム70分、ヴェスファーレン2時間、マイナウ2時間)は予想通りかなり限られてい た。せっかく訪ねたのでもうちょっと時間が欲しかったところ。
またバラの見ごろについては、各園ともピーク過ぎで開花遅めのものが主力。関東では5月上旬に見ごろ直前となることから、一月遅れと言われるドイツでは、6月中旬までぐらいが適しているようです。
フォールズチャーチホーム
今回は、庭園と主な観光スポット両方をしっかり回るということで、北から南までの3000キロもアウトバーンをひた走り(豪華大型バスに10名とゆったりと…)、ドイツ8街道のうちゲーテ、古城、ロマンティック、アルペン、ファンタスティック街道と5街道もカバー。移動は大変だったものの、よい天気、おいしいビールと食事、花・園芸となると尽きない話好きメンバーと話題豊富な添乗員さん(音楽好きでもあり長い旅の車中にたくさんドイツ音楽をかけてもらいましたし)に恵まれた旅であった。
◇各庭園の印象
1.サンスーシ宮殿とツェツィーリエンホーフ宮殿の庭 Shloss Sanssouci、日本語パンフ
サンスーシ公園は290ha(ざっと2500m×120m)と兎にかく広大。宮殿の南側へ6段ほどの広いステップを降りた一番下に、種々の花々で囲った噴水がある。他にもちょっとした花壇が点在しているようだったが回りきれず。 ポツダム会議がおこなわれたツェツィーリエンホーフ宮殿にはこじんまりながら自然を生かした花々の庭園があった。鍵穴を模ったシンプルな内庭がとても素敵。
2.ロザリュームバラ園 europa-rosarium sangerhausen
広さ12.5ha、バラ8,300種…と世界最大を謳っており、バラ苗販売もあるところは、京成バラ園のような雰囲気。広すぎてとても全部は見切れない…珍しい緑のバラもあったそうだが見落としました。岐阜県可児の花フェスタ記念公園が6万平米なので、その倍の広さがある。
3.ヴェスファーレン公園バラ園 Westfalenpark Dortmund
The National Rosarium in the Westfalenparkとあるので、ドルトムント市営のヴェスファーレン公園に、ドイツ・ローズ協会(GRF)の企画として作られたバラ園のようです。市民が家族連れで楽しめる70haもの大公園には種々の花壇が配されていて、敷地のざっと20%程度がバラ花壇になっていて、ロザリュームバラ園と同じぐらいの広さだが、バラ種別、産出国別など30のガーデンに緻密に分けられて(ドイツ人らしい)、株ごとのプレートもしっかり、手入れも十分とかなりの見ごたえ。ここでも半分ぐらい見ると時間がなくなり、後半は駆け足!!ということに。
バラ配置マップはドイツ語版pdf 区画名を機械英訳したもの
バラ以外にも種々の花々(ちょうどダリアが見ごろ)・樹木など多様な植生や広大な芝生・池などが楽しめます。そう、立川の昭和記念公園に本格的な世界クラスのバラ園を作ったようなイメージでした。
障害教育の学生ローンの統合をスリープ
4.ヘアマンズ・ホーフ庭園 sichtungsgarten-hermannshof.de ※ドイツ語のみ
ヴァンハイムは、先端の不織布技術をもつメーカーらしい(知りませんでしたが…)フロイテンベルグ社の所在地であり、従業員や顧客のために整備されてきた同社庭園が無料で公開されているもの。ハイデルベルグの日本人ガイド中村さんも初めて訪ねるそうで、まさに知る人ぞ知る!!ナチュラルガーデン。私の知る範囲では、御殿場の秩父宮記念公園の雰囲気に一番近いか? 花々は園芸種的なものは少なめで、この時期よく見かけるオニユリ、サルビア、ノコギリソウ、エキナセア[ムラサキバレンギク]、デルフィニュウム、ラベンダー、サントリナ(以上、同園ガイドからガイドさんが和訳したもの)などがごく自然な植生の姿で咲き乱れていました。初めて見る花も多かったが、なにしろドイツ語名札が読めず不詳。博識家ぞ� ��いの花倶楽部メンバーさんたちも大喜びのようでした。
5.マイナウ島のレナード・ベルナドッテ庭園 www.mainau.de ※ドイツ語のみ
スウェーデンのレナート・ベルナドッテ伯爵が1932年に島に来て45haの島全体を庭園として仕立て公爵が亡くなったあとは財団が運営。400品種、9000株あるバラ園ぬ加え、シャクナゲ園、ダリヤ園、熱帯園(蝶のコレクションがご自慢のよう)、子どもの遊び場など45haの広い庭園に散在する。
バラ園は、方形の芝生区画の周囲に沿って植えられていて、とても見やすく、手入れもよい。やはり、タントウ、コルデス、ノーアック[Noack]などドイツ生産者のバラが多かった。ここでも、園内レストランでのランチを早く済ませ、かわいらしいお嬢さんのガイドとも別行動でバラを撮りまくっていたがタイムアップ、陸側ゲートの集合場所までひた走り。いやー!遠かったこと。
訪ねたのは平日の水曜日だったのに、たいへん来園者も多く人気の庭園のよう。スイスとフランスとの国境も近く各国から訪れているようだ。日本から挙式のためにでかけるカップルも多いとか。
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◇アウトバーンならではの長距離移動
今回は毎日500キロぐらのバス移動があって、こんなことができたのは縦横に張りめぐらされた高速道路網だ。それも想像以上にきめこまかく建設されていて今更ながら驚いた。ざっと見た感じでは、乗用車とフルトレーラー・トラック、バスばかりで、日本のような2トンぐらいデリバン・トラックやら軽自動車など雑多な車種はあまり見かけない。他の違いは、行き先案内や規制標識などごく少ない、照明設備は皆無、混雑情報表示はめったにない、原則無料だが12トン以上のトラックが2005年から有料(ETC徴収)、サービスエリアのトイレは有料(その50セントはエリア内のショップでリファウンドされるので合理的)。
速度無制限区間では、200キロ近くぐらいで追い抜いていく乗用車もけっこうあるが、総じては運転マナーはさすがにいい。都市近郊を除いては交通量が少ないからでもあろう。昨年ガソリン価格が急騰して、日本の高速道路では一斉に走行速度が低下したが、バスドライバーに聞くと、ドイツでは全然速度抑制はなかったそう。
地方部では、工事が多く車線規制区間もやたら多く何キロも渋滞している箇所もあった。何年も工事が続いて終わりそうもない…ともこぼしていた。
◇街にて
どこでも街路・建物(屋根・壁の形状色が統一)が整っていてキレイ…屋外広告規制も寄与しているんでしょうね。大抵の街にはライトレール(路面電車)が走っているし、自転車利用もとても多い。環境意識の高さはもちろんだが、アルプス地方を除けば、国土全体がフラットで山坂が少ないこと、広々した幹線路で自転車専用レーンなど設けやすいのだろう。
お店でいうと、コンビニなんてほとんど見あたらなかった。元々殆どの店は夕方6時には閉店しなければならないので、24時間オープンなんて成立する余地ないし、便利ばかり最優先の日本とは大違い。
あっちの人たちの体格の立派なこと!!、ドイツの人に伍するS添乗員さんをのぞくとわが日本人ツアーはまるで子どもクラス。ベルリンでは、イラン大統領選挙の結果を巡ってのデモが起きていてパトカーやヘリが出動(お陰でホテルからの外出自粛)していたものの、他では街中で警官やパトカーはまず見かけない、総じて治安はいいということであろう。
◇車窓から
ベルリンからスタートしてまず目につくのが風力発電のファン、多いところでは一つのエリアに40基ぐらいも林立しており壮観であった。それも数分走ると、視野のどっかに次々と現れる。風の強い北ドイツならではだし、ただ平原が延々とあるだけなのでよけに目立つ。南部では代りに、屋根上にソーラーパネルを設置した家をたくさん見かける。ガイドさんによれば、ドイツの脱原子力発電(2021年完全終了)が決まってはいるが、自然エネルギーだけで、これまで原子力30%ぐらいをカバーできる訳はない…ということであった。
中部以南では、小麦畑がもう延々と連なる、ほかに牧草、飼料用玉蜀黍、野菜類…。ただし、酪農国と言われる割には、牛の放牧などはあまり見かけず。南ドイツアルプス地帯や、バイエルン・アルプス周辺では、ブドウ畑ばかりとなる。
◇ビール・食事
ドイツの食事というとパン、ジャガイモ、ソーセージ、ザワークラフトだけといった印象があったが、ホテル・レストラン食は、さすが食材調理ともとても豪華でボリュームがすごい。ホテルの朝食ビュッフェも、とにかく余分に摂らないようにしないと、後の昼夜食が食べられなくなる。ただし普通の家庭では、今でもごくシンプルな食事だそう。あの体格は、やはりビールからきているのかしら?
ユーロ高で物価は高そうと思ってはいたものの、レストランでのビール(だいたい0.5L)は2〜2.5ユーロぐらいでごくリーズナブルであった。昼夜とも、まずローカルのピルスナーを飲み、次にダークのデュンケルか白ビール(小麦)をもう一杯!とついつい飲みすぎ。
現在でもビール純粋令(ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とすべし)が守られているそうで、日本の第二のビールとかビールテイスト飲料なんか、もってのほかなんでしょうね。テーブルで教わってジョッキを見ると、ここまで注ぐべし!というラインが必ず入っていていました…注ぎ方で揉めないようにというか何事にもきちっとします。
食事のうち何回か出てきたましたパスタ風のものが曲者で、もう茹ですぎふにゃふにゃでげんなり。かの国にはアルデンテなんてのは望めそうもありません。
◇閑話
夏時間で一時間時刻が早まっていても、朝はだいたい4時から明るくなりだし、夜は10時すぎないと暗くならない。ローテンブルグでは夕暮れの刻一刻と変化していく群青色〜濃紺の空が素晴らしいと勧められたが、その時間まで起きていられずザンネン。日本では全くナンセンスなサマータイムも、ドイツのような緯度帯では合理的です。
ドイツ人の働き方について教えてもらったところ、年間6週間の有給休暇があって英仏あたりの5週間も凌駕し最長とのこと。帰国後調べても年間総労働時間は1560時間で、日本2150時間、米1900時間より大巾に少ない。社会保障の違い〜失業保険の給付が充実…就業しないでも食べていける…安い賃金で働くより失業給付の方が多額〜など、いかに少なく働き、家族や自分のための時間を増やすことが最優先となっていることが分かる。
Ref.福田直子『休むために働くドイツ人 働くために休む日本人』PHP 2004
どうりで、世界中のどこに言ってもドイツ人旅行者が一番多いのは、こんな就業意識からきているかもしれない。
街中でワンちゃんをたくさん見かけたが、ペットの商業販売は禁止されていて(ペットショップはない)、各地の協会か新聞雑誌の"譲ります欄"のようなところに申し込む。家族の一員としてちゃんと飼える資格があるかチェックされるのだ。もちろん、ペット税(年12,000円ぐらい)がかかる…つまり安易には飼えないしくみができている。
◇おすすめ参考図書 : 谷克二ほか 『ドイツの田舎町〜ヨーロッパ史の舞台を歩く』旅名人ブックス 2006年 日経BP企画
了
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